クマ財団 kuma foundation

ABOUT

次なるクリエイティブシーンを
一望する大型成果発表展
「KUMA EXHIBITION」

クマ財団の奨学金第9期生49名と卒業生10名、
総勢59名のクリエイターが集結する
「KUMA EXHIBITION 2026」。
ジャンルを超えた多様な表現の交点から、
次なるクリエイティブシーンの
ランドスケープが立ち上がります。

本展のテーマは“Escape from The Future”。
社会全体が描く未来への歩みが加速する中で、
私たち人間の創造力が
あらためて問われているのではないでしょうか。
本展が提示する「未来からの逃走」とは、
社会から与えられる未来をただ待つのではなく、
誰も見たことのない「オルタナティブな未来」を
切り拓く
積極的なアクションだと考えます。

私たちは、時代のうねりの中で表現の転換を迫られながらも、
自身の指針を見失わず、
次の段階へ進もうとする
クリエイターの在り方を応援します。
多様な表現が交差する「KUMA EXHIBITION 2026」
を、ぜひお楽しみください。

CREATORS

未来を創る
若手クリエイターたち

様々なジャンルで活躍する59名のクリエイターが
「KUMA EXHIBITION 2026」に集結。
これまでの歩みと作品への想いを紹介します。

ART

9期生/芸術

  • 絵画

    碇 栞奈

    第9期生

    絵画

    KANNA IKARI

    2000年静岡県生まれ。現世と常世の融合をテーマに幽霊画を制作している。絹やアクリル板などの反射・透過系素材、白色顔料を用いて不安定であり、自身を投影した存在である幽霊を描く。現在、寒天引きによって発生する虹色の輝きなどの現象と描写を組み合わせた幽霊表現を研究・制作している。

    大切にしていること

    「幽霊画」を制作テーマの中心に据え、あの世とこの世の境界が曖昧になるような表現を追求しています。描写の美しさだけでなく、素材が持つ特性を最大限に活用することを大切にしており、絵絹やアクリル板などの透過素材や反射材を使用することで、意図しない現象が発生する「唯一無二の魅力」を持った作品を目指しています。視覚的に認識できるかできないかという曖昧な表現や、本来の素材とは別のものに見えてしまうような感覚を大切にしており、私にとっての幽霊画は単なる恐怖の対象ではなく、一つの「寄りどころ」としての意味合いを強く持っています。目に見えなくともそこにいる気配を感じさせる、見守ってくれる存在としての幽霊を描くことで、単に怖い、悲しい、暗いといった一側面だけの表現にならないよう心がけています。今後は幽霊の定義といった概念的な調査を基に、複数の層を重ね合わせることで、より理想に近い幽霊像を形作っていきたいと考えています。

    世の中に
    与えたい影響

    幽霊という存在は一般的に恐ろしいものとして描かれる反面、地域によっては雨乞いの儀式の触媒や縁起物として信仰されてきた歴史的な二面性を持っています。私自身も制作を通じて、負の感情や対象が場合によっては「良いもの」に変わり得るという希望を見出しており、作品を通じてその多面性を伝えていきたいと考えています。人々が私の作品や、そこに生じる不思議な現象を目にした際に、単に「幽霊がいるのかもしれない」と感じてもらうだけではなく、生活の中のふとした瞬間に「目に見えないものたちがいる世界」を想像するきっかけになることを願っています。意識しなくともすぐ側に存在しているかもしれない、もう一つの世界に目を向けることで、人々の想像力や世界への見方が豊かになるような影響を与えたいと考えています。

  • メディアアート

    石井 飛鳥

    第9期生

    メディアアート

    ASUKA ISHII

    札幌市生まれ。慶應義塾大学SFCを卒業後、情報科学芸術大学院大学 修士課程所属。物理的隔離では説明できなくなった、現代のメディア環境における「一人」という状態の再定義を行うために、AIやソーシャルメディアを用いた制作と、実験心理学の手法を用いた認知の分析をする。

    大切にしていること

    デジタルメディアを用いながら、「どうやったら一人になれるか」ということを一貫したテーマとして研究・制作しています。SNSに代表されるメディアは、自分と誰かを接続するための技術である一方で、歴史的には読書の誕生のように「人間に一人で知識を得させる」という側面も持っています。このように、メディアが誰かを繋げつつも最終的に人を一人にさせる効果を研究しており、作品『ドラマチック・キャッチボール』ではその感覚を表現しました。本作は3人1組でチャットツールを用いて会話をしますが、「最新の投稿が閲覧できない」「会話を成立させなければならない」という制約があります。前の発言が分からないまま「それっぽい返信」を繰り返す演技的なコミュニケーションを通じて、人が誰かと繋がっている感覚を得ながらも、同時に一人であるという曖昧な境界線を浮き彫りにすることを大切にしています。

    世の中に
    与えたい影響

    現在の研究テーマのきっかけは、コロナ禍で大学に行けず、結果的に一人になった経験にあります。その際、一人の状態を「自分のせい」ではなく「環境のせい」にしたい、そう解釈すべきだと考えたことが大きな転換点となりました。私が伝えたいのは、あなたや私が今一人であるという状態は、良くも悪くもなく、何かしらの環境要因によるものであり、決して本人のせいではないということです。制作や研究を通じて自分自身の過去を救い、自己救済を試みるプロセスは、あの頃に多くの人が抱えていた悩みとも通底しているはずです。作品に触れた人が、今一人であるという状態を肯定も否定もせず、「そういうこともある」と受け入れられるような視点を持つきっかけを提示したいと考えています。

  • 絵画

    市川 慧

    第9期生

    絵画

    KEI ICHIKAWA

    2003年東京生まれ。東京藝術大学油画専攻在学中。西洋絵画の奥行きと日本絵画の平面性を融合させた独自技法を試作・研究中。現実と虚構が入り混じる世界観を現代の寓意画として表現している。キャンバスという舞台の上で、映画監督のように彼らを演出するような感覚で制作している。

    大切にしていること

    常に新しい表現に挑戦し続けることをモットーとし、毎回異なる手法やアプローチを試みるよう心がけています。制作においては、自分一人の世界で完結する自己完結的な表現に留まらず、作品を見てくれた人と何らかの形で共鳴できるような「開かれた作品づくり」を大切にしています。
    普段は油彩を用い、日本的な平面表現と西洋的な写実表現を融合させ、異なる次元の存在が混在する不思議な空間を描いています。モチーフには自己投影や社会の様相を反映させることが多く、例えば「魔法少女」は祈りの具現化や変身願望の象徴として、「背広姿の男性(昭男)」は実の祖父をモデルに、社会での生きづらさや閉塞感、哀愁を投影したキャラクターとして描いています。描かれた対象の解釈を固定せず、見る人それぞれの感じ方を尊重するために、あえて作り手としての正解を明示しないように意識しています。

    世の中に
    与えたい影響

    100年先の未来を生きる人々が私の絵を見た時に、今という時代がどのようなものであったかを想像できるような「時代の目撃者」としてのスタンスを大切にしています。私にとって絵画は言葉以上に雄弁なコミュニケーションツールであり、作品を通じて社会にポジティブな刺激を与えたいという願いが根底にあります。
    作品に触れた人の心に何かが響き、新しい気づきを得るきっかけを提供できることを理想としています。絵を描き、それを鑑賞するという行為がもっと身近なものになり、誰もが自分の感性で作品と対話できるような豊かな関係性を築くことで、人々がより生きやすい社会になるような影響を与えていきたいと考えています。

  • メディアアート

    今枝 祐人

    第9期生

    メディアアート

    YUTO IMAEDA

    2002年生まれ。東京藝術大学 先端芸術表現科 卒業。短歌や詩などの言語表現をもとに、電光掲示板などのメディアを用いたインスタレーション作品を制作。大衆広告と私的な言葉という対比する存在を合わせることで、不特定多数の個人の日常に詩を登場させたいと考えている。

    大切にしていること

    詩や短歌といった言語創作を活動の基盤に置き、「自分の言葉をどのように他者に伝えていくか」というプロセスを大切にしています。
    卒業制作『Inword facing Outward』では、個人の内面的な言葉(Inword)が、外部の世界(Outward)といかに向き合い、接続されるかをテーマに据えました。表現手法として電光掲示板を選択し、個人的で繊細な詩の世界を公共性の高いメディアに載せ、さらにそれを街中に持ち出したりゲリラ的に設置したりする行為を通じて、言葉が外の世界に晒され、広がっていく感覚を重視して制作しています。

    世の中に
    与えたい影響

    詩や短歌の創作を通じて、言葉によって立ち上がる独特な感覚の世界を、社会の中で具現化していきたいと考えています。
    電光掲示板を街中で持ち歩くといった実験的な試みを通じて、文学的な表現を本の中だけに留めるのではなく、より多くの人が日常の中で共有できる身近なものへと拡張することを目指しています。
    作品に触れた人々が、自分自身の中に眠っている「詩的な感覚の種」に気づき、それが開花していくような体験を届けたいです。将来的には、よりパブリックでフレキシブルな表現を追求し、多くの人と感性を共有できる豊かな場を世の中に創り出していきたいと願っています。

  • インスタレーション

    王 之玉

    第9期生

    インスタレーション

    ZHIYU WANG

    1999年中国黒龍江省に生まれ育ち、現在は東京藝術大学大学院美術研究科・油画技法材料第一研究室博士課程に在籍中。錬金術的な発想を基盤に、宗教・神話・自然科学・個人的体験など多様な領域から着想を得て、多様なメディアを通じて精神性を探求する作品を国内外で制作、発表している。

    大切にしていること

    自らを「現代の錬金術師」と称し、宗教や神話、オカルト、自然科学といった多様な物語からインスピレーションを得て、独自の立体作品や大規模なインスタレーションを制作しています。
    制作において大切にしているのは、本来対立する概念(現実と非現実、生命体と非生命体、自然物と人工物など)を融合・再構築し、新たな存在へと変容させるプロセスです。
    代表作の『My Angels Record』では、学校の2つの部屋を繋ぎ、中央に6メートルもの巨大な台座を設置した神聖な空間を作り上げました。また、自らのルーツである中国の工業都市での経験から、あえて「芸術」や「精神性」とは無縁だった環境への違和感を原動力に、自らの身体で世界を感じ、形にすることを重視しています。

    世の中に
    与えたい影響

    資本主義や実用主義、あるいは投資の対象としてのみ価値が測られがちな現代美術の現状に対し、芸術が本来持っていた「高い次元の境界」や「自我の意識を繋ぐ手段」としての役割を取り戻したいと考えています。 作品を通じて、現代社会で失われつつある「宗教性」や「精神性」を人々の心の中に呼び起こすきっかけを作りたいという想いがあります。 独自の「場」と「時間」を提示することで、鑑賞者が自身の内面と向き合い、既存の価値観にとらわれない未知の感覚を再獲得できるような影響を世の中に与えていきたいと願っています。

  • メディアアート

    亀井 里咲

    第9期生

    メディアアート

    RISA KAMEI

    「人の幸せを喜び人の不幸を悲しむ素晴らしい大人」になるべく、感情とモーターをこねくり回している。

    大切にしていること

    私は、食べ終えたお菓子のゴミや、実際に自分で使用していた日用品など、自身の記憶が染み付いたものや、家の中にある生活に寄り添っているものを、生き物のように動かす立体作品として制作しています。
    これは、モチーフを使っていた当時の過去の自分を振り返ったり、最近思っていることを綴ったりする「動きによるエッセイ」のようなものです。
    動きの仕組みには、モーターや磁石、3D CADで設計した機構を3Dプリンターで出力したものなどを組み合わせています。いわゆるロボットや、からくりではあるのですが、「操られている」のではなく「自らの意思で動いている」ように見せることを大切にしています。

    例えば「ノーコメント」という作品は、一見ただのポテトチップスの袋ですが、優しく手を置くと呼吸と鼓動が感じられます。社会では大きな声で強い言葉を使わないと、集団の中で存在しないのと同じであるかのような雰囲気がありますが、何も話せなくても「私やあなたはそこに存在している」ということを、目に見えない動きと意志で表現しました。
    ペットロボットなどは、触ると喜んだり怒ったりといったフィードバックがありますが、私の作品がそれらと大きく違うのは、触っても呼吸や脈拍が変化しないことです。「自分の意思は他者に簡単にはコントロールできない」ということを表現しており、それがロボットと生き物の違いだと考えています。
    最近では、制御された動きと、重力や摩擦などの自然現象によって発生する動きを組み合わせて、意思を感じさせる、かつ心地よい動きの実験をしています。

    世の中に
    与えたい影響

    悲劇は人の心を動かしやすく、創作物のテーマにもなりやすいものです。実際にSNS上でも、悲しみや怒りを吐き出した投稿が溢れていると感じています。私自身も学部の頃は、コロナ禍の記憶など「悲しみ」をテーマに制作していました。

    しかし、悲しみばかりをテーマにしていると自分自身の気分も沈んでしまいますし、悲しみばかりを芸術にするのは寂しいなと思うようになりました。そのため、最近では悲しみだけでなく、喜びや、そのどちらでもないような感情も美術作品のテーマにしています。

    私は「社会奉仕をしよう」と思って作品を作っているわけではなく、あくまで自分のやりたいことをやっているのですが、それを作品として展示することで、思いがけない方々から「すごく共感して救われました」という言葉をいただくことがあります。

    「人を救おう」と意図して制作しなくても、結果的に誰かを救うことになり得る。 最初にあまり「これだ」と決めつけずに、自分のやりたいことを追求することが大事なのではないかと考えています。

  • 絵画

    木本 大貴

    第9期生

    絵画

    DAIKI KIMOTO

    2000年大阪生まれ。ミュンヘン芸術アカデミーに在籍。インターネット上の情報システムと個人の記憶をテーマに、パフォーマンスや絵画を通じて時間の在り方を探求し「経過する時間とは何か」「記憶はどのように構築されるのか」という問いを体験的なアプローチによって表現している。

    大切にしていること

    「線を引く」という単純な行為を通じて、時間や身体がどのように世界を刻むのかをテーマに制作しています。制作において、線は自身の「決断の痕跡」であると捉えています。
    身体のわずかな揺れや躊躇がそのまま線として残るという、制御しきれない身体の動きと時間が作品に現れる表現を大切にしています。代表的なパフォーマンス作品『川の流れのように』では、自身で制作した幅2メートルの刷毛を使い、10メートルのロールキャンバスに2時間かけてゆっくりと線を引きます。その際、来場者が自由に絵具を足すことで生まれる「他者の介入」という不確実な要素をあえて受け入れ、微細な変化を作品に落とし込むプロセスを重視しています。

    世の中に
    与えたい影響

    自身の行為が世界にどのように介入し、影響を与えるのかという問いを追求しています。
    作品を通じて、自身の心の揺らぎや、社会との繋がりといった目に見えない事象が身体を介して広がっていく感覚を、鑑賞者にも共有してもらいたいと考えています。
    思考よりも早く表出してしまう人間の癖や、微細な動きから生まれる感情といった、理屈を超えた「率直な表現」を提示することを目指しています。無意識下の動作が持つ意味を深掘りし、作品そのものが語りかけてくるような体験を届けることで、人々の感性に働きかけていきたいという願いを持って活動しています。

  • 絵画

    黒澤 匠

    第9期生

    絵画

    TAKUMI KUROSAWA

    2002年京都生まれ。東京藝術大学在籍。自然の改変や認識の限界など、現代の環境と知覚をめぐる問題に関心を持ち、絵画・映像・インスタレーションを制作。制作を「超現実を記述する言語の開発」と捉え、アートによる日常の転覆を通じて、新たな自然観の表現を模索する。

    大切にしていること

    「認識の両義性」をテーマに、主に絵画を制作しています。人々が知覚する世界において、言葉や知識として認識される世界と、身体を通じて実際に経験される世界との間にある「ギャップ」を重視しています。
    制作プロセスでは、歴史的なチェスの試合記録を全く異なる言語で記述して歴史画として描き直したり、家庭用の蛍光灯と海岸線のイメージといった、日常の異なる場面から切り取られた記号をぶつけ合い、再構成したりする手法を採っています。こうした操作を通じて、曖昧な領域に新たな視点を提示し、鑑賞者に全く予想のつかない想起を呼び起こすことを大切にしています。

    世の中に
    与えたい影響

    日常的な認識を転換させ、異なる視点を探るための「態度」を作品を通じて示していきたいと考えています。
    また、絵画というメディアが持つ「同じ空間に存在し、二人以上で一緒に観る」という体験の特殊性に着目しています。一つの画面を共有しながら異なる認識について語り合える場を創り出すことで、個々人の認識を社会的な次元へと押し上げていくことを目指しています。
    近年はオーストリアのウィーンでのフィールドワークを通じ、土地の利用と自然観の関係性についてのリサーチを行いました。こうした実際の経験から得た知見を作品に取り込み、世界と鑑賞者を繋ぐ媒介としての役割を果たしていきたいと願っています。

  • 彫刻

    古賀 悠悟

    第9期生

    彫刻

    YUGO KOGA

    2002年東京生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻在籍。現代都市における標識や動線の配置などの記号としての構造に着目し、インスタレーション、写真などの多様なメディアを通じて、わたしたちがどのように空間と関わっていくべきか考えるための作品を制作する。

    大切にしていること

    身の回りの空間に潜む気配や、普段は見過ごされてしまうような些細な動きをテーマに、インスタレーション作品を制作しています。
    作品『彼らはもうきっと私たちのことを見ていない』では、2枚の凹面鏡を用いた独自の視覚体験を創出しています。また、都市空間のタイルに苗のようなオブジェクトを並べて田んぼを出現させた『Farming Somewhere Nowhere』では、駅の通路といった**「ただ移動するためだけの空間」と、人間が土地に定着する原点となった「畑や田んぼ」**を結びつけ、その場所に一時的な幻覚を立ち上げるプロセスを大切にしています。日常の風景からこぼれ落ちる記憶や物語を、映像やテキスト、造形など多様なメディアを介して可視化することを目指しています。

    世の中に
    与えたい影響

    人間の存在が前提になっていない空間をいかに作るか、という問いを投げかけ、人々の知覚や感覚に揺らぎを与えたいと考えています。
    AIや都市インフラが進化し、人間以外の存在について考えることが重要性を増している現代において、「人間の価値観や尺度」から離れ、ものそのものが持つ意識や尺度で世界を捉え直すきっかけを提示したいという想いがあります。
    自身の作品を通じて、鑑賞者が「都市の見る夢」のような非日常的な感覚に触れ、既存の価値観にとらわれない新しい視点や感性を獲得できるような影響を世の中に与えていきたいと願っています。

  • 彫刻

    齊藤 美帆

    第9期生

    彫刻

    MIHO SAITO

    特定の用途や機能のために生み出された物を模した外見的特徴を持ちながらも、特定の目的のために存在しない立体物を主に制作する。日常の中の産業物を彷彿とさせるような素材を用いながら、物体の認識に対する疑問を投げかけ、「日々見てきたものの正体」を再考することを試みている。

    制作協力:Katsurao Collective(一般社団法人葛力創造舎)

    大切にしていること

    「軽やかさ」や、作品を通じて日常とは異なる景色が見えてくるような感覚を大切にしています。展示場所としてのこだわりもあり、展示のための非日常空間に作品を置くのではなく、人々が今まさに生活している場所や、地続きの日常の中に作品を設置していきたいと思っています。
    制作においては、特定の機能や目的を持っているかのように見えて、実際には何の目的も持っていない立体作品を継続的に追求しています。当たり前だと思っている認識が切り替わる瞬間や、普段見過ごしている風景を新しい視点で捉え直すきっかけを作品に持たせたいと考えています。

    世の中に
    与えたい影響

    私の作品に触れることで、観る人の肩の力が少し抜けるような、日々の中でふっと息をつけるようなことができればいいなと考えています。なんとなく見覚えがあるけれど正体がわからない、といった不思議な感覚を呼び起こすことを目指しています。
    将来的にはパブリックアートのようなものにも挑戦してみたいと思っていて、終了制作では横6メートルある大きい作品を制作しました。日常生活の中に「大きく、よくわからないもの」が当たり前の顔をして存在している。という光景をつくり出すことで、日々を生きていく中でのちょっとした救いみたいなものを存在させられたらと願っています。

  • 工芸

    坂爪 亜蓮

    第9期生

    工芸

    AREN SAKAZUME

    2001年岐阜県生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程工芸専攻に在籍。鉄を主材とした金属造形の制作において、鍛造・溶接・溶断によって流動的に変化する金属の表情に日々魅了され続けている。現在は金属加工による素材の変容と心象を融合させた抽象造形のあり方を模索している。

    大切にしていること

    鉄を主体とした金属造形作品を制作する中で、自分自身の心や素材そのものに対して素直であることを大切にしています。自身の内面から湧き上がる感情をありのままに捉え、それらを形にすることを重視しています。制作の背景には、自身を取り巻く社会やコミュニティにおける人間関係、そしてそれに伴う心情の変化があり、そこから見えてくる「人間のリズム」をテーマに据えています。また、自然をモチーフとすることで、抽象的で曖昧な心象を具体的なイメージへと変換することを試みています。波の揺らぎに感情の流動性を重ねるように、自然の象徴を介して内面を詩的に表出しようとしています。
    さらに、金属加工という時間の流れの中で、素材の流動的な変化に敏感であることを心がけています。自身の手で素材と戯れた痕跡をフォルムとして残すことで、鑑賞者が純粋に美しい、あるいは面白いと感じられる表現を追求しています。溶接・溶断・鍛造といった工程を通して生まれる金属の現象を、人と人との縁や時間の流れに重ね合わせ、個々のリズムがゆらぎ合う様を造形化しています。

    世の中に
    与えたい影響

    人間の内面は非常に複雑で、曖昧な模様のようにざわめいているものですが、それらは目には見えずとも確かに存在しています。そうした声にならない心の動きや微細なニュアンスを、作品という形を通して視覚化し、社会に提示していきたいと考えています。金属という強固な素材を用いながらも、そこに詩的で繊細な表現を宿すことで、内面の揺らぎや人と人との関係性を表現しています。言葉を発さずとも作品を介して他者とつながり合える可能性を信じ、表現の必然性を問い直しながら、人々の心に柔らかく響く作品を生み出していきたいと考えています。

  • パフォーマンスアート

    作田 日々果

    第9期生

    パフォーマンスアート

    HIBIKA SAKUDA

    2002年神奈川県生まれ。東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻在籍。身体と環境の接点にある行為に着目し、パフォーマンス作品を制作する。行為による態度を表現とし、土地へのアプローチをきっかけに世界をどのように感覚し、応答できるかについて実践を試みている。

    キャプション

    大切にしていること

    パフォーマンスを「タフな実存の実演」と定義し研究・制作を行っています。
    私にとってパフォーマンスとは、何か特定の目的や完成を目指すものではありません。日常生活を含めて行われる全ての行為をパフォーマンスとして捉えています。
    パフォーマンスを作品として提示することは、その行為が示す態度を自覚してその上で社会に提示することだと考えています。
    作品『shika dance』では、地元の海岸で漂流物である石や貝を自らが決めた規則(グリッド)に沿って並べ、波に崩されてはまた並べ直すという行為を繰り返しました。こうした環境に対する自らの態度や、秩序を再構築し続ける身体行為のプロセスを大切にしています。

    世の中に
    与えたい影響

    「不安」という感情を創作の主要なモチベーションとしています。
    これまでの既存の価値観が通用しなくなっている現代において、自らの身体と世界との折り合いをどうつけるかという問いに向き合っています。
    社会から与えられる新たな価値をただ待つのではなく、一人ひとりが「何に自分の価値を置くのか」を自ら選び取っていくための「タフさ」が必要だと考えています。
    自身の作品が、鑑賞者にとって「タフな実存」のための防災訓練や練習、あるいは思考を深めるための材料となり、社会に静かな影響を与えていくことを目指しています。

  • 絵画

    真田 将太朗

    第9期生

    絵画

    SHOTARO SANADA

    画家。2000年生まれ。東京藝術大学美術学部卒業、東京大学大学院修士課程在学。重力や時間の独創的解釈を取り入れた「新しい風景画」が早くから注目を集め、Art Olympia、東京藝大アートフェス優秀賞、ベストデビュタント賞など多数受賞。JR東日本の絵画永久常設など数多く手掛ける。

    大切にしていること

    特定の風景をモチーフに、自身の身体が反応する瞬間や、より深く見つめていたいと感じる景色を絵画に落とし込むことを大切にしています。
    制作においては、自分がその風景に包まれている感覚や、その場の全体の雰囲気を一枚の絵の中にどのように再現するかを常に追求しています。
    また、風景を目にした際の「時間感覚」や「重力」といった目に見えない要素を表現するために、垂直方向のストローク(筆運び)で画面を埋めていく独自の描画スタイルを重視しています。
    作品を通じて、鑑賞者が自身の立っている場所や周囲の空間を再認識できるような装置としての絵画を目指しています。

    世の中に
    与えたい影響

    自身の作品が、展示空間やその場所を彩る一つの要素として溶け込み、そこを訪れる人々の目に入ることで、空間全体の力を強めるきっかけになればと考えています。
    鑑賞者が作品と向き合った際に、かつて自身が風景の中で感じた感覚が、鑑賞者の身体の中で再び再現・再演されるような体験を届けていきたいです。
    私の活動そのものが世の中に大きな変化をもたらすというよりは、作品を目にした人々の心に、日常の風景や空間を捉え直すような些細な揺らぎや変化を生み出すことができれば幸いです。
    そうした場所や体験を増やしていくことで、人々と風景の豊かな関係性を築いていきたいという願いを持って制作を続けています。

  • ファッション

    柴田 勇紀

    第9期生

    ファッション

    YUUKI SHIBATA

    2001年生まれ、多摩美術大学テキスタイル専攻在籍。P.A.R.T. Collective主宰。人間を独立した現象の集合と定義したうえで、着用者の生命に十全に対応する場としての衣服体験を構築している。

    大切にしていること

    「衣服」を単なる布のまとまりとしてではなく、着用者の生命活動が実践される「場」そのものとして捉え、制作を行っています。
    制作において大切にしているのは、着用者と衣類を取り巻く環境全体(場)を扱うことです。例えば、朝起きて冷たい床を歩き、ソファーに脱ぎ捨てられたシャツをそのまま被って着るという一連の動作や、その時の床の冷たさ、衣類が置かれた状況までもが「衣服」を構成する要素であると考えています。
    作品『着装空間』では、吊り下げられた衣服と傾斜のある什器を連動させ、着用者が重心のバランスを取りながら、狙った衣服をいかに着るかという身体的な体験を可視化しました。また、演奏者やパフォーマーといった他分野のクリエイターと協働し、衣服の着方を研究・パフォーマンスとして昇華させるプロセスも重視しています。

    世の中に
    与えたい影響

    これまでの衣服表現は、主に人間の身体や社会構造に依存した形で行われてきましたが、そこに新たな視点を提示したいと考えています。
    具体的には、人間の生命が持つ「多元性」に着目し、身体や社会といった枠組みとは無関係に存在する生命としての在り方、あるいは彼らの生き方にも対応し得るような、新しい衣服の表現様式を構築することを目指しています。
    自身の活動を通じて、衣服と人間の関係性を問い直し、既存の価値観にとらわれない豊かな表現の可能性を世の中に示していきたいと願っています。

  • インスタレーション

    清水 笙

    第9期生

    インスタレーション

    SHO SHIMIZU

    2000年神奈川県生まれ。現在、東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻在籍。身の回りの事物や自然の事象に内在する「親密な記憶」に焦点を当て、時間や記憶の構造を示唆するようなインスタレーションを制作しています。

    大切にしていること

    「記憶」という曖昧な領域をテーマに、フィルム写真や立体を用いたインスタレーションを制作しています。その曖昧な構造がいかにして成り立ち、空間や時間とどのような関係を結ぶのかを常に考えながら活動しています。
    制作プロセスにおいて大切にしているのは、素材と技法の選択です。自身で見つけ出した「ファウンド・フォト」や「ファウンド・オブジェクト」を作品に取り入れることが多く、それらをベースに鋳造(キャスト)によって複製したり、新たな手を加えたりすることで、独自のイメージを構築しています。自ら作品を作り込む部分と、あえて手を加えない部分、その間にあるグラデーションや微細なチューニングを積み重ねるプロセスを非常に重視しています。

    世の中に
    与えたい影響

    記憶とは単なる「アーカイブ(記録)」ではなく、人が思い起こすたびに少しずつずれ、変化し、再生され続けるものであると考えています。
    作品を通じて、人それぞれの中に確かにあるけれど、一つとして同じではない物語や、生成されるたびに変化していく記憶の多層的な構造を提示したいと考えています。一回性のものではない記憶の質感を表現することで、鑑賞者が作品と向き合った瞬間に「確かなものが目の前にある」という感動を共有し、その心の揺らぎを伝えていくことを目指しています。

  • 絵画

    白井 桜子

    第9期生

    絵画

    SAKURAKO SHIRAI

    兵庫県出身。京都芸術大学・バンタンデザイン研究所卒。現在、京都芸術大学大学院に在籍。視覚の不確かさや曖昧さを通じて、「見ること」の本質を問い直す作品を制作。

    大切にしていること

    「見ること」における不確かさや、視線の揺らぎを表現の核としています。これまでは、布に熱を加えて収縮させたものを空間に広げ、光や場所性、見る人の立ち位置によって変化する大規模なインスタレーションを制作してきました。最近ではその関心が平面作品へと展開しており、布の織りの方向の違いや光の当たり方の違いによって見え方が変わる表現を追求しています。自身の幼少期を振り返ると、服を選択して身に付けることや布と触れ合うことへの興味が非常に強く、その記憶が現在の創作活動の原点となっています。大学学部時代には、もともと絵具で行っていた表現をそのままファッションの専門学校での学びに繋げ、布という素材と改めて向き合いました。そこで、絵具で表現していたことと同じことが布を通じても可能であると直感し、自分にとって最も自然な行為として布を用いた制作を大切に続けています。

    世の中に
    与えたい影響

    これまで空間規模で追求してきた「揺らぎ」や「装い」という感覚を、より絵画的なフォーマットへと落とし込み、深めていきたいと考えています。平面という限られた枠組みの中であっても、空間のような広がりや視線の揺らぎをどこまで提示できるかということに挑戦しています。私がテーマとして掲げている「装う視線」という言葉には、人が服を装う際、他者からの視線を意識しながら「自分がどう見られたいか」を選択しているという考えが込められています。自らの意志で選択しているつもりでも、実はその時代の空気や環境に影響を受けているという側面があり、そうした社会の中で「見ること」がどのように形作られているのかを作品を通じて問い直したいと考えています。他者からの視線を受け入れながら自己を形成していくプロセスを、否定的なものではなくポジティブなものとして捉え、人々に受け入れられるような作品を世に送り出していきたいと願っています。

  • インスタレーション

    杉田 碧

    第9期生

    インスタレーション

    AOI SUGITA

    2002年東京生まれ。身体に対する社会的なまなざしが生み出す偏見をテーマに制作を行なっている。実際に世の中をリサーチして得られた現実や近未来に起こり得る問題を、SF的な映像を用いながら映像インタレーションとして鑑賞者に問いかけるという手法をとっている。

    大切にしていること

    テクノロジーの発展に伴い、これまで以上に浮き彫りになってくる社会の倫理的な違和感や、未来の人間社会に起こりうるあらゆる可能性を提示することを大切にしています。
    制作においては、映像、光、素材、空間そのものを組み合わせることで、鑑賞者が社会の違和感を体感的に自覚できるような「環境」を創り出すことを常に意識しています。
    過去の卒業制作『二十一世紀の空蝉』では、デザイナーズベイビーが当たり前になる未来をカスタム可能な人形工場として表現したり、地球外生命体の視点から人間を客観的に捉え直したりといった試みを行いました。
    自分自身の内面を表現するのではなく、常に対象を外部(社会や未来)に向け、説得力を持たせるために当事者性と観察者の視点のバランスを保つ制作姿勢を重視しています。自身の作品を通じて、鑑賞者が自分自身の認識をそっと疑い直すきっかけを届けたいと考えています。

    世の中に
    与えたい影響

    自身の作品を通じて、鑑賞者が自分自身の認識をそっと疑い直すきっかけを届けたいと考えています。
    社会の急速な変化に対して安易に肯定も否定もせず、日常の中で見過ごされたり誰かを傷つけたりしている「小さな棘」や、名前のない漠然とした不安を可視化することを目指しています。
    作品に触れた人が、現代の倫理観や知覚の変容について深く掘り下げて考えるための「未来の断片」を提示することで、誰かの心の重荷が少しでも軽くなるような影響を世の中に与えていきたいと願っています。

  • インスタレーション

    中巛 ルナ

    第9期生

    インスタレーション

    LUNA NAKAGAWA

    東京都出身。東京藝術大学 先端芸術表現科 卒業。同大学 大学院 先端芸術表現専攻 在籍。自然と人工、生命と非生命——世界を分けてきた境界を問い直し、虫や微生物など非人間存在との共創を通じて、新たな存在関係を探る。

    大切にしていること

    人間と非人間の境界を問い直すことに深い関心を抱き、制作に取り組んでいます。近年は、プラスチックを生分解できる虫と共働し、領域横断的なインスタレーションを制作しています。
    制作の背景には、非人間的な存在を介して人間の営みや文明を捉え直す「ポストヒューマニズム」的な視点があります。例えば、プラスチックを虫が食べ、その虫を最終的に自身が食べるというプロセスを描いた映像インスタレーション『文明を食べる精霊』では、身体の内部と外部、そして自己と他者が行き来する複雑な関係性を表現しました。
    石油由来の素材が辿ってきた数十億年という地質学的時間、人類が築いた150年の技術文明の時間、そして虫が生きる数ヶ月という生命スケール。これら複数の時間と視点を往復しながら作品を構成することを大切にしています。

    世の中に
    与えたい影響

    世界を「善悪」や「自然対人工物」といった単純な二項対立で切り分けるのではなく、もっと複雑で動的、かつ矛盾や曖昧さを含んだ「生態系的な視点」で捉え直すきっかけを提示したいと考えています。
    例えば、プラスチック問題の解決策として注目される一方で、養蜂においては害虫とされる「ワックスワーム(ハチノスツヅリガ)」のように、一つの定義では語りきれない複雑さにこそ、表現者が取り組むべき領域があると感じています。
    既存の概念の分断を解体し、人間中心ではない視点を持ち直すことは、これからの社会や倫理の再構築において非常に重要であると信じています。作品を通じて鑑賞者に問いを投げかけ、ふと立ち止まって思索に耽るような場を創り出していくことを目指しています。

  • インスタレーション

    原田 茉琳

    第9期生

    インスタレーション

    MARIN HARADA

    東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画に在籍。「つくること」を取り巻く表現の過程、中でも構造や姿勢に関心をもち、行為や時間の痕跡について研究を行う。制作では -分けて置く-身体(からだ)を通して見る-一体(ひとつ)にする- ことを軸にインスタレーションや平面作品を展開する。

    大切にしていること

    木材を用いて、平面や立体の作品を制作しています。制作において最も大切にしているのは、自分自身の身体性やバランス感覚を尊重し、実際に手を動かしてものをつくるプロセスです。
    特に2023年に制作した『豊かさを見る』という作品をきっかけに、現在も多くの作品で「木」を主素材として扱っています。昨年からは、ベニヤ板を手作業でパズルのように組み合わせていく平面作品のシリーズに取り組んでいます。一定の規則性を持って手ノコギリで素材を切断し、はめ込むという一連の身体行為を繰り返す中で、意識が限りなくフラットになり、トランス状態のようになっていく感覚を大切にしています。また、自身の意識が影響を受ける「場」や「環境」「視点」、そして「目線の移り変わり」そのものに対しても強い興味を抱き、制作の糧としています。

    世の中に
    与えたい影響

    自身の作品を通じて、言語化することが難しい「何らかのセンス」のようなものに、人々が触れるきっかけを作りたいと考えています。その探究のために、モロッコ、ドイツ、デンマークなどを旅し、各地に根付くものづくりの姿勢や伝統的な建築に触れ、空間が人の意識をどう変化させるかをリサーチしてきました。
    3月の「KUMA EXHIBITION」では、これまで続けてきた平面作品を約1.8メートル(6フィート)四方という大きなサイズで展開する予定です。制作時に自身が感じているトランス的な意識の広がりを、作品の大きさ(スケール)を通じて鑑賞者にも追体験してもらいたいという願いがあります。率直に「自分がそれを体験してみたい」という初期衝動を形にすることで、人々の感性に響くような新しい視覚体験を世の中に提示していきたいと考えています。

  • 彫刻

    みずかみ しゅうと

    第9期生

    彫刻

    SHUTO MIZUKAMI

    長生きをして、たくさん見てたくさん作ろうと思っています。パスタが好き。日常の中で少し影が薄いけど魅力的なものを見つけたい、それらを題材にして鑑賞者の意識が変化したりしなかったりするのを眺めていたい。彫刻を中心に、インスタレーションや映像、3D造形を用いて制作しています。

    大切にしていること

    日常の中で見つけた、他の人があまり気づかないような些細なものや出来事を作品に取り入れることを大切にしています。制作においては、鑑賞者の記憶に一瞬で残りつつも、長い時間見ていられるような、相反する要素が共存した作品を目指しています。
    ここ3年ほどは、駅の構内や商店街などで「誰かのメモ」を拾い集めています。買い物リストのような何気ない言葉の断片から、書き手の生活や思考、心の内の思いを読み取ることに興味を持っています。
    自分は彫刻科に通っており、立体作品も製作しています。例えば、リードが絡まってケルベロスになりそうな3匹のチワワを目撃して制作した「チワベロス」や、祖父の家の庭で拾ったスズメの卵のために制作した「スズメの卵のための巣」など、日常のから着想を得て、それを彫刻として再構成する試みをしています。

    世の中に
    与えたい影響

    自身の作品を通じて、鑑賞者の「ものの見方」に些細な変化を与えれたら嬉しいです。私の活動そのものが世の中に大きな影響を及ぼす事はないと思いますが、作品を目にした人が、日常の風景を少しだけ違う視点で捉え直すきっかけになれば幸いです。
    展示では、立体作品に加えて、これまでに収集したメモを一冊の冊子にまとめたものも展示しています。本来であれば見過ごされて消えてしまうような出来事を、作品の中に組み込むことで、鑑賞者に静かな変化をもたらしたいと願っています。

  • 絵画

    MIYAMOTO ANJU

    第9期生

    絵画

    日常生活で感じる共感覚をもとに、毎日ドローイングをして制作しています。色の掠れ、線と線の隙間の空気、その全てに感覚があります。それは時に「キ」「マチ」「ヒト」として現れ、のびやかに空間を切り込み、ものの輪郭をたどります。趣味は「くまさん」の制作です。

    大切にしていること

    刹那的なドローイング、つまり日常の中でふと忘れてしまうような瞬間を忘れないように描き留めることを大切にしています。日々の断片は非常に脆く弱いものですが、それを作品として形にすることは自分にとって極めて重要なプロセスです。最近では、キャンバスにアニメーションを投影した青い作品など、刹那的な弱さや脆さが鑑賞者にダイレクトに伝わる表現を追求しています。制作環境にもこだわりがあり、薄暗い部屋でiPadを用いて描く際の独特な雰囲気や、そこで読み取った色や空気を作品発表の場にも持ち込みたいと考えています。作品を単なる画面内の話として完結させるのではなく、展示空間全体やその場にある他の物も含めて一つの作品の一部として扱うことを重視しています。

    世の中に
    与えたい影響

    日常の当たり前の瞬間、例えば「息をしていること」のような、誰もが意識せずに享受していることに改めて自覚的になれるようなきっかけを届けたいと考えています。何千年も残る可能性を持つ「絵画」という手段を通じて、2025年という今を生きる一人の人間がどのように暮らし、何を感じていたのかという情報を後世に伝えていきたいです。私にとって絵は、言語以上に雄弁なコミュニケーションの手段です。言葉で会話をするのと同じように、絵を通じて人と対話することがより身近なものになればと願っています。「上手い」「すごい」といった評価だけで終わるのではなく、絵で会話をするような感覚が社会に広がることで、より多くの人が生きやすくなるような影響を与えたいと考えています。

  • 彫刻

    本岡 景太

    第9期生

    彫刻

    KEITA MOTOOKA

    1999年広島県生まれ。2024年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修士課程修了。同研究領域博士後期課程在学中。染色した紙を貼り付ける制作方法で彫刻作品を制作する。彫刻と絵画の中間に位置するような作品を生み出し、芸術の探求を行っている。

    大切にしていること

    「絵画的な見え方のある彫刻」をテーマに制作を行っています。彫刻作品でありながら、輪郭の強さを感じさせたり、平面的な空間性を持つ色彩を施したりすることで、彫刻と絵画の要素を融合させるプロセスを大切にしています。
    制作手法としては、色で染めた紙を立体物に貼っていくことで彫刻を作り上げます。単に色を塗るのではなく、特定の対象(例えば「木」など)を表現する際も、同じ色の濃淡を使い分け、遠近感や絵画的な秩序を立体空間に落とし込むことを意識しています。
    作品の形態としての彫刻と、描かれた事象としての絵画が、互いに引っ張り合いながら新しい価値を生み出すような制作の尺度を追求しています。

    世の中に
    与えたい影響

    近年は、実際の漫画のイラストをそのまま彫刻の素材として用いるなど、彫刻の形態と漫画という絵画的表現をより直接的に対峙させる試みに挑戦しています。
    彫刻でも絵画でもない、あるいはその両方の目的を同時に持たないような「間の距離」そのものに制作の目的を置くことで、新しい表現の在り方を世の中に提示したいと考えています。
    本岡さんは、こうした自身の表現を「彫刻の間の表現」と名付けており、将来的には同じような志を持つアーティストを集めた展示を開催したいという夢を持っています。自身の活動を通じて、表現の既成概念に「爪痕」を残し、鑑賞者の感性に新しい刺激を与えることを目指しています。

  • インスタレーション

    YuuuRA(誘楽)/内川 雄生

    第9期生

    インスタレーション

    YuuuRA / YUUKI UCHIKAWA

    現代書道家、書家三代目。建築と書を融合させた『構築書』を考案・制作している。文・図・書の三位一体と、可読性を特徴とし、素材面上に書き残すものである。現在は、空間と書の精神性という視点から構築書の展開を考え、対象空間との親和性を導き出せるように作品づくりを進めている。

    大切にしていること

    「構築書」という、文章と図面、そして書の技術を三位一体とした独自の作品制作を行っています。幼少期から慣れ親しんできたファンタジー小説や漫画の世界観、特に異世界の物語における暮らしぶりや、宙に浮遊する都市構造などのビジュアルを、書をベースとした独自の表現へと落とし込んでいます。
    制作においては、書道としての伝統的なルールの遵守と、そこからの脱却という両面を大切にしています。一発書きで下書きをせず、文章通りにフリーハンドで書き進めるという書本来の「線の旨味」や精神性を重んじる一方で、既存の価値観にとらわれない新しい創造性を追求しています。例えば、文明が退化し終わりゆく想像上の惑星から都市構造が脱却していくストーリーを、墨の量や印象を変え、白と黒のバランスを二重螺旋のように交差させることで表現しています。

    世の中に
    与えたい影響

    現代はメールのタイピングやインターネット、さらにはAIの台頭によって自ら文字を書く機会が減少していますが、だからこそ「無くならないものの価値」が重要になると考えています。書道が単なる「字の上手い・下手」という限定的な価値観のみで語られる現状を、もっと面白く、楽しいものへと変えていきたいという願いがあります。
    一人ひとりの字の書きぶりや空間の取り方、画材による掠れ、墨の濃淡といった表現は、書き手の価値観や見え方が反映される唯一無二のものです。作品やワークショップを通じて、日常にある「文字」という存在を、これまでとは全く違う多角的な価値観で体験できるきっかけを届けていきたいです。書の持つ美しさや可能性を自分なりの作風で発信し、人々の暮らしに新しい刺激を与えられるような影響を生み出していきたいと考えています。

  • インスタレーション

    YE ZIJING

    第9期生

    インスタレーション

    中国生まれ。日本と英国で居住。クィア理論やポストヒューマニズムを手がかりに、国籍とアイデンティティの関係を再考し、国家に定義されない、より流動的で脱国家的な存在のあり方を芸術実践を通じて探求している。

    大切にしていること

    「どこにも完全には属さない」という感覚を創作の出発点としています。中国で生まれ、日本とイギリスで学ぶ中で、移動のたびに公的な「証明」を求められてきた経験が、自身のアイデンティティや「自由」「所属」について深く考えるきっかけとなりました。
    制作においては、単に「何かを見せる」ことよりも、鑑賞者の身体が自然に作品のリズムへ入り込んでいくような「空間そのものを設計する」プロセスを大切にしています。例えば、イギリスでの卒業制作『A Drawn Line』では、英仏間の海上国境線をプールのコースロープでなぞり、その海水を回収して展示会場に持ち込むといった、物理的な移動を伴う行為を作品化しました。政治や倫理といった重層的なテーマを直接語るのではなく、素材の中に潜む構造や文脈をそっと浮かび上がらせる表現を重視しています。

    世の中に
    与えたい影響

    近年は「レシピの再現」をめぐるプロジェクトを通じて、歴史的な眼差しや記憶の継承というテーマに取り組んでいます。ロンドンで偶然手にした植民地時代の香港の中華料理レシピ本から、当時の「他者を見る視線」が料理を通じて現代の家庭に再現されてしまう危うさを感じ、そこから生じる違和感を問いとして投げかけています。
    作品制作や執筆活動を通じて、社会に対して単に答えを提示するのではなく、自分自身がどのように「植民地化」されてきたのかといった気づきを身体を通じて考え続ける「実践の場」を創り出そうとしています。既存の枠組みにとらわれない新しい思考の在り方を世の中に提示し、多様な解釈を共有できる場を提供することを目指しています。

  • 絵画

    Liisa

    第9期生

    絵画

    1999年ハンガリー生まれ(中国籍)。2001年イタリア移住、2018年来日。京都精華大学マンガ学部を経て、現在、東京藝術大学大学院美術研究科在籍。特定の目的や意味を超えて存在する「場」、あるいは営為と記憶の堆積から成る「場」を風景と見なし、絵画とインスタレーションで表現する。

    大切にしていること

    移⺠や留学などの経験を通じて、住む場所が変わるたびに⾵景の⾒え⽅が変化していくという⽇常的な体験を制作の根幹に置いています。当たり前だと思われている「⽇常の⾵景」が、実は極めて曖昧で不確実なものであるという認識を⼤切にして絵画作品を制作しています。
    制作の出発点には「マンガ」があります。キャラクター同⼠の掛け合いよりも、背景や空間、吹き出し、効果⾳といった要素に強く惹かれ、消費し尽くされた記号の奥に潜む静かな存在感にリアリティを⾒出してきました。線と⾯でイメージを⽴ち上げ、影を切り貼りするように空間を再構築することで、⾵景画として新たな物語を⽴ち上げるプロセスを⼤切にしています。私にとって絵を描くことは、その場所をもう⼀度⾃らの⼿で確かめるような⾏為であると考えています。

    世の中に
    与えたい影響

    現代社会では、実際の体験よりも先に「イメージ」として風景に遭遇することが増えており、場所の感じ方そのものが変容していると感じています。私の作品を通じて、人々が当たり前だと思っている風景が実はとても脆いものであることに気づき、見慣れた街並みや建物が全く違う風景として立ち上がってくるような体験を届けていきたいです。自分自身が知っているものであっても、あるいは全く知らないものであっても、理解が追いつかないような違和感や不確かさを含めて、世界を「美しいもの」として捉え直すきっかけを提示したいと考えています。作品を通じて、風景に対する新しい解釈や視点を自分なりに発信し、人々の想像力に働きかけていきたいという願いを持って制作に取り組んでいます。

  • インスタレーション

    和田 祐香

    第9期生

    インスタレーション

    YUKA WADA

    2001年三重県生まれ。実験的姿勢で造形表現の拡張・開拓に取り組む構成領域に所属。形体の発生・変容が操作しきれない造形プロセスを身近な現象や素材を組み合わせて独自に構築し、これを基盤に制作。造形の自然性に制作の人為性を介入させ、人工的な物質による自然的な造形表現を模索している。

    撮影:MacLeod Gary Roderick

    大切にしていること

    作者の操作が及ばない時間、すなわち素材が持つ固有の性質やそれが置かれた環境の影響によって、⾃然に形が⽣まれたり変化したりする造形プロセスを独自に構築して創作活動を行っています。造形プロセスの構築の起点になっているのは⽇常⽣活の中に潜む身近でささやかな現象です。例えば、作品『My Garden』は、お⾵呂場の天井に水滴が付着している光景から着想を得て制作しています。⽔を「樹脂」という別の素材に置き換えることで、水滴が形成される不安定な瞬間を固定化すると共に、この固定化を反復させて新しい表現の展開を試みました。表現を展開する際は、造形プロセスそのものの魅力を損なわないように、⾃⾝の意図や操作の介入が過度にならないよう心がけています。作品との適切な距離感を計り、予想し得ない形が生まれる瞬間を⾃らも楽しむ姿勢を大切にしています。

    世の中に
    与えたい影響

    制作者であると同時に⼀⼈目の鑑賞者として、「⾒たことがないのに、どこかで⾒覚えがある」という未知と懐かしさの共存する不思議な感覚を他者と共有したいと考えています。身近で自然な現象を起点とすることで、鑑賞者それぞれの内にある記憶や感覚に触れられる表現を目指しています。「⽬に⾒えていること」と「感覚で受け取ること」との間に生じるギャップや違和感を、心地よい刺激として空間全体に広げていきたいと考えています。作品を媒介として、現実世界の中に物質的且つ非日常的な風景を作り出し、鑑賞者の感覚を満たせる「場」を提供したいという想いを持って活動を続けています。

DESIGN

9期生/デザイン

  • 建築

    棈松 建臣

    第9期生

    建築

    KENSHIN ABEMATSU

    1999年鹿児島県出身、現在は京都工芸繊維大学大学院建築学専攻に在籍。形と空間が意味を帯びる過程を探究し、目的未定の造形から着想を得る。計算的合理性を超える曖昧さと解釈の揺らぎに人間固有の創造源泉を見出し、新たな人間中心の表現領域を開拓する。

    大切にしていること

    私は建築を研究する中で、ドローイングや模型といった多様な表現手法の中でも特に模型にフォーカスを当てた設計を行っています。模型制作においてはマテリアルへの注目を極めて重視しており、段ボールやスタイロフォームといった素材を加工する際に現れる固有の形を、単なる建物のボリュームに留めず、周囲のランドスケープなど様々な領域のデザインへと展開させる表現を追求しています。例えば作品「flowing」では、段ボール特有の透け感を利用して建物全体を透過させる表現を独自に開発し、それを制作の主眼に置いています。また「瓢鮎図」という作品では、コンセプトを先行させる通常の建築プロジェクトのプロセスとは逆に、まず模型という形から思考をスタートさせています。制作した後にその形がどのようなコンセプトを帯びているのかを問い直し、一つの意味に限定されない、様々なコンセプトへ派生する可能性を持った作品づくりを大切にしています。

    世の中に
    与えたい影響

    模型制作は必ず人間の手で行われるため、そこには常に失敗が伴いますが、私はその失敗から生じるハプニングの中にこそ新しいデザインの可能性があると考えています。無意識下の操作から生み出されるデザインを尊重し、それを社会に提示していきたいという思いがあります。現在の社会はコンセプトが先行し、辻褄の合うデザインが常説となっていますが、そうした状況に対して私はあえて違和感を与える存在でありたいと考えています。作品を目にした人々が、一体これは何なのだろうと思考のプロセスを巡らせるような装置を設計することが、表現者として非常に重要であると感じています。その結果として生じる評価は個々の判断に委ねつつも、人々の感性に鋭く刺さるような作品を世に送り出すことで、既存の思考の枠組みを揺さぶるような影響を与えたいと考えています。

  • 工芸

    石井 佑宇馬

    第9期生

    工芸

    YUMA ISHII

    福島県いわき市生まれ。金沢美術工芸大学大学院 工芸専攻に在籍。糊防染の技法を用いた染色表現を通して、自分が大切にしたいと感じる感覚・美意識について考えている。日々さまざまに生まれてくるものへの向き合い方と、自身の在り方を模索している。

    大切にしていること

    染色という行為を通じて物事を考えたり、自身の生活の中で起こる様々な出来事を捉えたりするプロセスを大切にしています。単なる一つの工芸技法としてだけでなく、物の考え方や捉え方としての「染色」を探求しています。私は現在金沢に居住しており、加賀友禅という伝統的な技法を用いた制作を行ってきました。その一つの集大成が、大学の卒業制作として手掛けた約5メートルの布作品『Flow and become a swell』です。この作品で伝統技法を用いた自分なりの完成形が見えた経験から、その次の段階として、単に技法を磨くだけでなく「本当にやりたいこと」へ表現を広げていく必要性を感じるようになりました。最近では、伝統的な形をあえて崩していくような、不確定さやゆらぎを伴う表現に興味が移っています。特に富山県滑川市での滞在制作では、屋外で海や空を眺めながら布を染める経験を通じて、室内での制作では生まれ得なかった「良い意味での崩れ」やバランス感覚を作品に取り入れることを意識しています。

    世の中に
    与えたい影響

    今後は、より直感的な染色表現に取り組んでいきたいと考えています。染色というものは非常に曖昧で不確実なものですが、自分が染めた作品に対して、自分自身で安易に良し悪しをジャッジするのではなく、出てきたものをどう受け入れ、次に繋げていくかという試行錯誤のプロセスを重視したいと思っています。染色は、大きな布を染めたり衣服を作ったりと、実際の生活に密着した側面が強い技法です。社会の中で決してメジャーな思考手段ではないかもしれませんが、染色という独自の取り組みを通じて、多くの人に「布」という存在を改めて意識してもらうきっかけを作りたいと考えています。私の作品や活動を通じて、皆さんが日々の生活の中でふとした瞬間に、布やその背後にある表現について思考を巡らせるような、新しい視点を提供できる存在でありたいと願っています。

  • 建築

    大竹 平

    第9期生

    建築

    TAIRA OTAKE

    2000年愛知県生まれ。京都大学大学院 工学研究科 建築学専攻に在籍。建築のデザインを、「創り方」とその過程に流れる「時間」から捉え直すことで、社会や都市、人々の生活とのあいだに「動的平衡」を築く建築を追求している。現在は、カールスルーエ工科大学建築学部に留学中。

    大切にしていること

    建築の設計やデザインを学ぶ中で、特に「建築のつくり方」そのものからデザインをし直すプロセスを大切にしています。
    最近のプロジェクト『部材(ゲノム)と建築(キマイラ)』では、解体予定の2つの建築を部材単位に分解し、別の場所へ持ち込んで全く新しい建築として作り上げる「スクラップ・フォー・ビルド」という手法に挑戦しました。
    万博などの大規模な建築プロジェクトにおいても、単に建物を設計するだけでなく、部材を運搬し組み立てるという建築が生まれるまでの「ダイナミズム」や「時間」そのものを一つのメディアとして捉え、人々に訴えかける表現の在り方を追求しています。

    世の中に
    与えたい影響

    建築のデザイン評価が、完成した建物(竣工後の姿)だけに限定される現状に対し、より広い視点を提示したいと考えています。
    建築は多くの人の手によって、膨大な時間をかけてゆっくりと作り上げられる芸術作品です。設計段階や施工中の長い時間そのものに対しても、人々が興味を持ち、目を向けられるような「きっかけ」を社会に波及させていきたいという想いがあります。
    自身の活動を通じて、建築を単なる情報の器としてではなく、人と文化、あるいは人と自然を繋ぐ媒介として再定義し、新しい空間体験の価値を世の中に届けていくことを目指しています。

  • 建築

    金子 照由

    第9期生

    建築

    TERUYOSHI KANEKO

    東京大学を卒業後、AA School に在籍。建築設計の方法そのものを設計することで、新しい建築の可能性を探る「つくりかたのつくりかた」をテーマに活動。人間と協働しながら自己組織的に建築をつくるロボットの開発や、情報技術を用いて自然と人の営みの中間点としての建築の建築設計を行う。

    大切にしていること

    「作り方の作り方」というコンセプトを掲げ、建築の設計や家具の制作を行っています。建築の歴史を「建築のつくり方(あるいは作られ方)の歴史」であると捉え、設計プロセスそのものを再構築することによって、新しい建築の在り方を模索することを大切にしています。
    具体的な手法として、作品『Architecture of Bits』では、建築構造体を移動しながら建設や解体を行うロボットを製作しました。ロボットが周囲の都市環境の変化に呼応して有機的に建築を更新し続ける、動的な建築の在り方を追求しています。また、台湾のプロジェクト『Living in the Liminal』では、流体力学や機械学習を用いたシミュレーションモデルを構築し、海岸線の後退という厳しい自然環境に対して最適な養殖場の形や配置を設計するなど、技術と環境が高度に融合するプロセスを重視しています。

    世の中に
    与えたい影響

    建築を設計することを、その場所を訪れたりそこで生活したりする人の「感情を設計すること」であると考えています。こうした「クオリア(感覚の質感)」的な体験は数値化が難しく、コンピューターだけでは設計しきれない領域です。
    一方で、自然現象などの予測困難な動きは、コンピューターの力を借りなければ扱うことができません。金子さんは、マニュアル(人間の手仕事や感性)でしか設計できない「感情」や「空間の質感」と、コンピューターを介してのみ扱える「自然の振る舞い」を高い次元で両立させることを目指しています。この対極にある二つの要素を一つの建築の中で共存させることで、社会に新しい体験の価値を提示し、建築の可能性を広げていきたいと願っています。

  • 建築

    上條 陽斗

    第9期生

    建築

    HARUTO KAMIJO

    東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻 舘研究室所属。ものが作られる過程への関心から研究と制作を行う。既存のものの作られ方を幾何学的、力学的に記述して計算可能にすることで温故知新的なコンピューテーショナルファブリケーションを追及している。

    大切にしていること

    建築をバックグラウンドに持ち、「コンピューテーショナルファブリケーション」という、コンピューターを用いてものづくりをする手法を研究・制作しています。
    制作において大切にしているのは、200年ほど前に発明された「ジャカード織り」の技術を現代的に再解釈することです。布に模様を織り込むための機械を使い、模様の代わりに「立体構造」を作るための組織を織り上げることで、独自の立体作品シリーズ『forming patterns』を制作しています。
    また、建築の歴史における「イメージ(観念的な設計)が先行し、後から大工が建てる」という従来の在り方を転倒させるプロセスを重視しています。先に素材があり、そこにコンピューターによる膨大な情報を埋め込み、手との相互作用でこねていくことで形が立ち上がってくるような、素材と技術が融合した新しい制作の在り方を追求しています。

    世の中に
    与えたい影響

    自身の作品を通じて、人々に「知性や想像力はどこに生じているのか」を改めて問い直すきっかけを届けたいと考えています。
    現代社会は、あらかじめ内容が記号化されたものに溢れていますが、「脳が手と繋がり、手が身体の外にある布と触れ合う」というインタラクション(相互作用)の中にこそ知性が生まれると考えています。AIの発展によって知性の定義が揺らいでいる今だからこそ、普段のものの見方や解釈とは異なる「ものを見る体験」を提示し、その人の想像力に対する新しい刺激を与えられるような影響を世の中に生み出していきたいと願っています。

  • 建築

    関田 重太郎

    第9期生

    建築

    JUTARO SEKITA

    2000年東京都生まれ。東京藝術大学大学院 美術研究科 建築専攻 金田充弘研究室在籍。アートや建築の設計現場を横断しながら、作る過程そのものを設計対象として捉えている。地域の職人やアーティストと伴走しながら実践を展開する。重機や装置といった仕組みの可能性にも興味がある。

    大切にしていること

    「移動可能な建築」という手法を用い、出来上がる空間そのものだけでなく、そこに至るまでの「プロセス」を非常に大切にしています。関わる人々や、作品が置かれる場所について深く知ることから制作をスタートさせます。
    例えば、作品『茶畑のちゃぶ台』では、茶農家の方から茶畑を管理する「乗用茶刈機」について教わり、それを「煎茶道」という文化と組み合わせました。単なる設計に留まらず、地域の産業と文化を融合させる媒介としての建築の在り方を追求しています。また、茶農家の方と一緒に空間の在り方を考え、共に汗を流して作るなど、自らも当事者として深く入り込む関わり方を重視しています。

    世の中に
    与えたい影響

    建築家、作家、地域住民、施主、施工者といった、通常の「発注・受注」という一方通行の関係性の中に自ら飛び込み、三者を繋ぐ「媒介」として立ち回る新しい役割を社会に示していきたいと考えています。
    誰も見たことがない作品を作るプロセスに、地域の人のアイデアや職人の技術を積極的に巻き込んでいくことで、最終的に「地域に本当に良いもの、みんなの想いが詰まったもの」を残していくことを目指しています。自身の活動を通じて、建築が地域のコミュニティや産業を活性化させ、そこに住む人々と共に未来を創っていくための新しいきっかけとなることを願っています。

  • 建築

    髙部 達也

    第9期生

    建築

    TATSUYA TAKABE

    2001年神奈川県生まれ。慶應義塾大学大学院 松川研究室 修士2年。井戸掘り、マニュアル出版、テラスの設計・施工などアナログなものづくりと並行して、井戸アプリや自動水耕栽培システムの開発といったデジタルな制作にも取り組む。多様な技術を身につけ、百の生業をもつ“新百姓”になりたい。

    大切にしていること

    「⾃律・分散・協調」の枠組みを通じて、既存の巨⼤な社会インフラだけではない、別の選択肢「パーソナルインフラ・マニュアル・ネットワーク」を構築する活動をしています。制作プロセスにおいては、まず⾃ら井⼾を掘ったり畑を耕したりといった「⾃律」の段階=パーソナルインフラを作る段階を行います。次に、その経験から得た⽅法論をマニュアルとしてまとめ、出版することで知識を「分散」させます。最終的には、アプリケーションを開発してネットワークを構築し、他者と「協調」する段階を⽬指しています。頭で考えるよりも先に、実際に汗をかいて⼿を動かし、⾃らの⼿でものを作り身体知や暗黙知を獲得することを最優先にしています。

    世の中に
    与えたい影響

    私たちは巨大な社会インフラというブラックボックスに支えられ、生きています。それらが不可視化された現代において、その依存を自覚しオルタナティブを提示することで、既存インフラを再考するきっかけを作ります。具体的には、汎用的な道具を組み合わせ、生活基盤を自律的に構築する「パーソナルインフラ」の実装を試みます。効率化された「生の外注」では味わえない、自らの手で生み出す喜びと、微差を感じる喜びがそこにはあります。画一的なインフラに依存するのではなく、自律分散協調の選択肢を社会に提示していきます。

  • 彫刻

    高山 芳の

    第9期生

    彫刻

    YOSHINO TAKAYAMA

    2002年福岡県生まれ。多摩美術大学大学院統合デザイン領域在籍。磁力や風力、重力などの物理現象と、数字で制御しない電池式のモーターを用いて、出来事を反復する小さな装置を制作。装置たちは、我々が世界を多様な鼓動に満ちたものとして捉え直す、そのきっかけとして機能する。

    大切にしていること

    普段の生活や物理世界の中に存在する単純なメカニズムを用いて、装置としての作品を製作しています。制作において大切にしているのは、マイクロコンピュータなどの電子的なコードを使わず、フェルトと塩ビ盤の摩擦といった物理的な現象だけで「ものを動かす」ことです。単に「操作する」のではなく、ものが心地よく動くための環境を整えるという立場でものづくりを心がけています。
    例えば、『脈拍』と名付けた10体の装置群では、星の巡りや花の開花といった、我々が日常で知覚できないほど緩やかな世界の反復を、人間が捉えられるスケールに落とし込んで表現しています。装置の動きを眺める中で、鑑賞者自身の呼吸や鼓動が重なる瞬間を生み出し、世界が動的であるということを思い出すきっかけとして機能させることを大切にしています。

    世の中に
    与えたい影響

    現代における「動きのデザイン」は、映像やプログラミング、あるいは生物感の再現、さらには「いかに正確かつ効率的に操作するか」という視点が主流になっています。しかし、私の作る装置はあえてその外側にあり、重力や摩擦といった自然現象をそのまま受け入れながら行為を繰り返します。これは、我々が呼吸をし、脈を打ちながら生きている姿そのものと重なります。
    数字によって厳密に制御される現代社会において、画面の外にある「物理的な揺らぎ」を提示することで、世界がいかに複雑で豊かなものであるかを伝えたいと考えています。個人の経験や年齢、性別、言語、文化に関わらず、子供の頃に夢中で虫や植物を観察していた時のような純粋な喜びを呼び起こし、世界に対する多角的な視点を世の中に届けていきたいと願っています。

  • ファッション

    RENYU IWANO

    第9期生

    ファッション

    1999年鹿児島県鹿屋市生まれ。2024年大阪文化学院ファッションクリエイター学科卒業。1月よりイタリアのファッションスクールPolimoda Collection Design(MA)に進学予定。ファッションデザインを通じて、新しい人間像、新しい価値を創造することを目指す。

    大切にしていること

    ファッションデザインを通じて、新たな人間像や価値観を提案・表現することを目指しています。制作において根底で最も大切にしているのは、自分自身に対して素直であることです。偏見や既成の価値観にとらわれることなく、自分の感情や思考、日々の中で感じることに対して敏感に気づき、それらをありのままに受け入れることを重視しています。作品『Somewhere, not here』では、社会の枠組みに囚われた自分自身を解放したいという強い想いから着想を得ました。19世紀のイギリスで家父長制の窮屈な環境に置かれていた女性たちが、自転車という手段を通じて束の間の解放感や自由を享受した歴史的背景に自身の感情をリンクさせています。このコンセプトを表現するため、素材にはあえて自転車の廃棄チューブを使用し、タイヤとテープを編み込むことで新たな柄を生み出しました。既存の「服の素材」という枠を超えた異素材の組み合わせに挑戦し、固定観念に縛られない素直な表現を追求し続けたいと考えています。

    世の中に
    与えたい影響

    世の中には、まだ言葉になっていない「声にならない声」や、日々の生活の中で誰もが密かに感じている個人的なエピソードや感情が溢れています。それらは一見すると些細なことのように思えるかもしれませんが、私はそれこそが非常に重要で価値のあるものだと捉えています。デザインを通じて、そうした目に見えにくい微細な感情やストーリーを丁寧に拾い上げ、形にしていきたいという想いがあります。自分自身が深く感動したことや感じたことを、ファッションという媒体で広げて表現していくことが、独自のオリジナリティに繋がると信じています。私の作品を通じて「こういう感情を持っている人が他にもいるんだ」ということや、「誰もが共通して抱いている想い」を社会に提示していきたいです。一人ひとりの内面にある感情を肯定し、多様な感性が共鳴し合えるような影響を、ファッションの力で生み出していきたいと考えています。

MUSIC / PERFORMANCE

9期生/音楽・パフォーマンス

  • 音楽

    梅本 佑利

    第9期生

    音楽

    YURI UMEMOTO

    作曲家。2002年東京生まれ。伝統的な楽譜と同時代のデジタル表現を横断し、アニメやインターネット文化から着想を得たマキシマリスティックな美学を自己言及的に探求している。現在は日本とドイツを中心に、国内外の演奏家、アンサンブル、コンサート・ホール、音楽祭と共同作業を行なっている。

    大切にしていること

    一般的にもあまりに普通で、簡単だと思われている物事を、「美しいもの」として捉え直し、表現することを大切にしています。私のインスピレーションの源は多岐にわたり、OASISの『Wonderwall』のリフのようなポップなものから、ドビュッシーの繊細なハーモニー、あるいはガールフレンドとの思い出や父親に言われた何気ない言葉まで、日常のあらゆる断片を作品に落とし込んでいます。私はクラシック音楽という長い伝統を意識しながら作曲活動を行っていますが、クラシック音楽が持つラグジュアリーな側面にも着目しています。例えばグッチやシャネルといったブランド、あるいはキラキラしたスポーツカーのように、自分自身にとっては少し手が届かず、想像しきれないような遠い存在にあるもの、それらを反映させた自分なりの「美しい音楽」を紡ぎ出していくことを制作の核としています。

    世の中に
    与えたい影響

    身の回りにある何気ない言葉や、ありふれた物事を美しく見せることは、本当の意味でのミニマルな表現であると信じています。こうした音楽表現を通じて、現在、芸術と現実の世界がどこか分断されてしまっているような状況を解消していきたいと考えています。それは、私たちが現代を生きる上で、本来あるべき姿なのではないかと感じています。私は、誰かに対して「美しさとは何か」を教えたり、誰かを一方的に良くしようとしたり、叱ったりするような意図はありません。ただ、私が純粋にやっている活動を誰かが見た時に、それを自然と「美しい」と感じてくれるような関係性を築きたいです。私自身、移動中や自宅の椅子に座っている時にお尻が痛くなることがあり、「もっと柔らかい椅子に座りたい」と切実に願う瞬間があります。それと同じように、私の音楽を聴くことで、自分自身も、そして聴いてくれる他の誰かも、心がふっと柔らかく、心地良くなれるような影響を世の中に与えていきたいと願っています。

  • 舞台芸術

    川村 智基

    第9期生

    舞台芸術

    TOMOKI KAWAMURA

    2001年生まれ。奈良県出身。劇作家、演出家、俳優。劇団『餓鬼の断食』代表。西陽〈ニシビ〉プロジェクトメンバー。関西弁で捲し立てる会話劇や、演技表現の延長線上にあるダンス表現に取り組んでいる。常に「自分にとって今、何がおもしろいのか。」に対して素直に生きていたいと思っている。

    大切にしていること

    日常の営みを大切にすることを制作の根幹に置いています。私の中では、食べる・寝るといった生存に不可欠な「生活」と、そこから生まれる余剰やゆとりである「営み」を区分して捉えています。演劇は日常動作がそのまま表現に直結するため、どれだけ日常を微視的に観察し、その豊かさを再認識できるかがクリエイションの質を左右すると考えています。特に、人間関係や人との繋がりから生まれる機微、動作、行動に注視し、目を合わせるタイミングや、振り向く際の身体の使い方一つで受け取る印象がどう変化するかといった要素を大切にしています。友人との時間や新たな人間関係の構築を含め、実生活をどれだけ楽しめるかが作品のクオリティに直結すると信じ、日々の営みを再構築しながら表現を模索しています。

    世の中に
    与えたい影響

    私の創作活動は日常の延長線上にありますが、それは単に自分の生活を切り売りするものではありません。自分自身の文化的背景や、土地、性別、年齢を超えて様々な人と出会い、多様な場所で関係性を築いていくプロセスを大切にしています。こうした個人的な繋がりや経験を公演活動を通じて最大化し、作品を通じてメッセージを伝えていくことで、結果的に世の中に何らかの影響を与えたいと考えています。将来的には、一つにはお客様に純粋に楽しんでもらい、リラックスした時間を提供したいという思いがあります。もう一つは、他ジャンルのクリエイターとも協同を繰り返し、自分一人では到達できない景色を作品として提示することで、海外の芸術祭に招待されるような強度のある新しい文脈を創り出していきたいです。作品を通じて人々の感性に触れ、より広い世界へと表現を繋げていくことが、表現者としての願いです。

  • 音楽

    佐藤 伸輝

    第9期生

    音楽

    NOBUAKI SATOH

    作曲家・演奏家。2002年日本生まれ中国育ち。大衆文化から出発し、抒情・暴力・不器用さが生むプリミティヴィズムを探求。近作「Asian Music Guide」シリーズでは、自身のルーツに立ち戻り、現代アジアの文化表象について再考。日中作曲家コレクティブ「東京烤鴨」代表。

  • 音楽

    佐野 風史

    第9期生

    音楽

    FUSHI SANO

    2000年、京都府生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科在籍。インタラクティブなデータソニフィケーションや深層学習による音響生成、立体音響などの手法で「聴くことから現れる風景」をテーマに制作。近年はサウンドアートや耳の機能を背景に、耳元で音の響きを変える聴覚芸術を探求。

    大切にしていること

    「聞こえをコンポジション(構成)する」という独自の考え方を軸に制作を行っています。単に音を発するだけでなく、その音がどのように聴き手に届くかというプロセスそのものに注目しています。
    過去には、形状記憶合金を用いて人の耳の形を電気制御で変え、物理的な反射特性を操作する作品を制作しました。また最新の試みでは、ノイズキャンセリングイヤホンの機能を時間軸で制御し、環境音がどのように聴こえるかという体験自体を再構成することに挑戦しています。AIを組み込んだ貝殻型デバイス『Imaginary-shell』では、貝殻を耳に当てると海の音がするという言い伝えから着想を得て、場所や文脈によって変化する音響体験を創出しています。

    世の中に
    与えたい影響

    新しい技術が私たちの身体や日常の物事と溶け合っていくことで生まれる、「未知の音の世界」を提示していきたいと考えています。音を通じて、目に見えないけれど確かに存在するイメージを浮かび上がらせることに深い関心を持っています。
    作品に触れることが、まるで「地球の外にある別の惑星を旅する」ような、既存の物理空間を超えた新しい感覚の旅路を提供することを目指しています。現実なのか夢なのかが曖昧になるような、多層的な音響体験を共有することで、人々の世界に対する知覚や想像力を拡張するような影響を与えたいと願っています。

  • 音楽

    塚田 優乃

    第9期生

    音楽

    MASANO TSUKADA

    テクノロジーと器楽の関係性を探る研究を軸に、音響効果を活かしたサウンドの“面白さ”や“ときめき”を作品を通して届けることをテーマに創作を行う。現在、京都市立芸術大学音楽研究科修士課程作曲専攻に在籍。

    大切にしていること

    自分自身の心がときめく瞬間的な音や、ワクワクするような音を軸に据え、それらを一曲の楽曲全体を通して展開し、皆様と共有することを大切にしています。例えば、雪の結晶が光の角度によって様々な色に見える様子に感動した際には、そのキラキラとした表情を表現するために、瞬間的に光るような効果音を自ら制作しました。その音を音響解析し、そこから得られた解析結果を基に多様な音の表情を引き出し、楽曲全体へと発展させていくアプローチを取っています。また、人間のオーラをテーマにしたヴィブラフォンと4本のクラリネットのための作品では、一つの楽器を人間、他の楽器をそのオーラと見立て、音響の中から微細な音の変化や揺らぎをもたらすことで、人によって受け取り方が異なるオーラの神秘性を表現しようと試みました。こうした実在しない電子的なエフェクトの効果を、あえて生身の人間が演奏することで、人間の限界を超越した緊張感や神秘的な価値を見出すことを追求しています。

    世の中に
    与えたい影響

    生演奏だからこそ得られるライブ感や、「ナマモノ」としての良さや魅力を、テクノロジーを介在させることによってさらに拡張し、伝えていきたいと考えています。生演奏の音をリアルタイムで電子的に加工する「ライブエレクトロニクス」の手法を用い、エコーをかけたり立体音響によって音を空間の中で動かしたりすることで、奏者の存在を視覚的に捉えるだけでなく、聴き手に対して生演奏の新たな魅力を提示することを目指しています。電子音響を組み合わせることは、決して人間性を損なうものではなく、むしろ人間が演奏することの価値や魅力をより明確に際立たせる手段であると信じています。作品を通じて、聴いてくださる方々に、現代のテクノロジーと生の身体性が融合した新しい音楽体験を届けたいという思いを持って制作に取り組んでいます。

  • 音楽

    中村 陽太

    第9期生

    音楽

    NAKAMURA YOTA

    2002年大阪生まれ。人文科学一般への広い興味に基づき、現代音楽を中心とした幅広い分野で創作活動を行う。これまでに作曲を大橋征人、藤川大晃、金子仁美の各氏に師事。現在、東京藝術大学音楽学部作曲科4年次に在籍。

    大切にしていること

    現代音楽を中心に作曲活動を行っていますが、制作においては作品に対してコンセプトを強めに割り当てることを重視しています。そのコンセプトを深めるために、書籍や論文などを用いた徹底的なリサーチを行うプロセスを非常に大切にしています。
    例えば、水をテーマにした連作の一つ『Wade for Piano and ensemble』では、単純なピアノのテクスチャーと複雑な管楽器のアンサンブルを対比させています。アンサンブルを「川」、ピアノを「そこを歩く人」に見立て、時間の経過とともに音域が下がっていくことで「入水」を表現しました。単なる音の響きだけでなく、物体や身体の振る舞いを作曲に取り入れ、人間が直感的に切り離せない感覚と音をいかに結びつけるかを追求しています。

    世の中に
    与えたい影響

    現代音楽には「専門的な知識がある人にしか分からない」という課題があると考えています。そのため、単純に出る音が面白い、あるいは見た目が面白いといった「とっかかりやすさ」や、多様な解釈のフレームを用意することを心がけています。
    作品を通じて、鑑賞者にその場での即効的な感情の変化をもたらすだけでなく、鑑賞後にプログラムノートを読み返したり、別の本を読んだ際などに「あの曲はこういうことだったのか」と思い出すような、長いスパンで記憶が繋がっていく体験を届けたいと考えています。速効性のあるエンターテインメントとは異なる、いわば「遅効性の毒」のように、後からじわじわと効いてくるような形で、人々が「知ること」や「考えること」に向き合うきっかけを作りたいと願っています。

  • 舞台芸術

    西﨑 達磨

    第9期生

    舞台芸術

    TATSUMA NISHIZAKI

    2001年兵庫県生まれ。多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科卒業。東京藝術⼤学⼤学院先端芸術表現専攻在学。「ザジ・ズー」という演劇集団でよく脚本を書いています。あとドラムも叩きます。たまにフライヤーデザインもやります。最近は映像作品もつくってます。なんでもやります!

    大切にしていること

    演劇コレクティブ「ザジ・ズー」の劇作家として、一般的な劇場とは異なる場所で上演を行う「サイトスペシフィック」なクリエイションに取り組んでいます。作家として、特に言葉の力を強く信じています。SNSでの匿名の攻撃やハラスメントが横行する現代において、私たちが言葉を尽くすことを忘れてしまっているのではないかという問いから創作を行っています。
    制作過程では、長時間にわたる対話を通じて集団論や環境論を深め、その結果として楽器をかき鳴らすといった激しい表現へと至ることも大切にしています。また、ノベルゲームの形式やゲーム画面の録画を用いるなど、既存の枠組みにとらわれない手法を探究しています。レコーディング時の俳優の「噛み」や、あえて低解像度の画像を使うといったイレギュラーな要素を盛り込むことで、制御の効かなさという「演劇的なライブ感」を演出することを重視しています。

    世の中に
    与えたい影響

    演劇を通じて、観客が「何かを浴びる」ような感覚を得られる場を提供したいと考えています。展示とは異なる演劇ならではの熱量を体感してもらうことで、表現の可能性を広げていきたいです。
    具体的には、過去作でガザの紛争と渋谷の再開発によるホームレスの排除問題を重ね合わせたように、身近な出来事と世界の大きな事象、あるいは異なる歴史や場所にある重なり(アナロジー)を提示していきたいです。作品を通じて、一見無関係に見える事柄を繋ぎ合わせ、観客の想像力を刺激するような影響を与えたいと願っています。

  • パフォーマンスアート

    橋本 真那

    第9期生

    パフォーマンスアート

    MANA HASHIMOTO

    2000年神奈川県出身。国立台湾芸術大学表演芸術学部舞踊学科卒業。東京藝術大学美術研究科先端芸術表現専攻在籍。他者を通じて自己を知ることを創作の軸とし、コンテンポラリーダンスを用いたパフォーマンス作品の制作や交流プロジェクトの実施を行う。

    大切にしていること

    コンテンポラリーダンスを用いたパフォーマンス作品の制作やプロジェクトの実施において、物事を思考するプロセスの一環として「身体表現」を捉えることを大切にしています。身体表現が持つ「間接性」という特性を信じ、それを活用することで、現代の複雑な国際関係や歴史の積層といった一筋縄ではいかないテーマを、少しずつ紐解いていくことを目指しています。
    例えば2024年に発表した『DEAR NEIGHBOR (COMMA)』という作品では、隣国である台湾のアーティストと協働し、「台湾有事は日本有事」という言葉を巡る再考を試みました。本作ではダンスのみならず、映像、美術、照明、音響といった各要素を単なる素材としてではなく、互いに対等な存在として組み込んでいます。これにより、現実と虚構、あるいは過去と現在といった異なるレイヤーが幾重にも折り重なるような、独自の空間構成を追求することを重視しています。

    世の中に
    与えたい影響

    私たちの身体という、誰しもに共通する媒体を通じて表現することで、多角的な物事を感覚として共有し、その魅力を伝えていきたいと考えています。
    社会的・政治的な事象といった、正解が一つではない複雑な問題に対して、作品を通じて距離感を測ったり、無関心であった自分に気づいたりするための「可視化の場」を提供したいという思いがあります。自身の創作活動が、そうした難しい問題と向き合い、考え続けるきっかけとなるようなプラクティス(実践)でありたいと願っています。
    作品を介して観客や共同制作者であるアーティストとの間に新たな対話が生まれ、互いの認識を深め合えるような場所を創り出すことで、社会に静かでありながら力強い影響を与えていきたいと考えています。

OTHERS

9期生/その他

  • 映像

    江田 俊介

    第9期生

    映像

    SHUNSUKE EDA

    慶應義塾大学大学院政策メディア研究科在学中。建築と映像をバックグラウンドに、全方位映像に世界地図図法を用いて新たな視覚表現を探求。空間全体を長方形に映し出し、空間と時間を横断する視覚体験を試みる。「人間の知覚を超えた新たな視覚体験を開拓」をテーマにしている。

    大切にしていること

    純粋に新しい視覚体験をしたいという想いを軸に、全⽅位カメラを⽤いた独⾃の映像手法オーサグラフビジョン(以下AGV)を追求しています。
    多くの絵画や写真、映像は、視野の一部を平面のフレームに収める形式で発展してきました。私はその形式を問い直し、視野全体をフレームに捉え、人間の知覚を超える空間描写や異なる時空間をつなげられるAGVを用いて制作をしています。AGVによる、見慣れた世界とは異なる描写は、身体を輪郭を超えて時空間が一体となるような錯覚をもたらします。
    前例のない手法だからこそ、変換ツールの開発や制作方法そのものから考えることを大切にしています。実現したい表現と、それを支える技術開発が双方に影響しあうことで、「世界は未知にあふれている」と感じられる体験を作りたいと思っています。

    世の中に
    与えたい影響

    ⻑期的には、この独⾃の⼿法を⻑編の映画制作へと昇華させていきたいと考えています。かつて映画の初期にリュミエール兄弟が制作した映像を⾒た⼈々が、迫りくる列⾞の迫⼒に驚き、⼀⻫に部屋の後⽅へ逃げ出したという逸話があります。当時の⼈々が動く映像に慣れていなかったように、私の作品もまた、既存の空間認識や世界の捉え⽅を更新するような発明でありたいと考えています。頭で考えるよりも前に、⾁体で直接何らかの感覚を掴み取れるような、これまでに⾒たことのない未知の視覚体験を届けていきたいです。

  • 映画

    川上さわ

    第9期生

    映画

    SAWA KAWAKAMI

    2002年岡山県生まれ。ここ最近は映画を作っていることが多い。2024年に初長編監督作『地獄のSE』が全国公開された。私的な理由で撮られたフィルムに興味があり、それらの収集・制作・上映も行っている。あとはときたまいろいろな集まりを開催することもある。

    大切にしていること

    「劇映画」と「実験映画」、そして「日記映画」という3つの方向性を軸に制作を行っています。特に言語表現としての「言葉」を非常に大切にしており、映像や音とは別のレイヤー(層)で言葉が存在し、それらが組み合わさって一つの映画になる構成を意識しています。
    また、ストーリーが持つ特権性や権威性を解体したいという想いがあり、あえて日常の親密な関係性や「遊び」の延長線上で撮影を行う手法を採り入れています。例えば、親しい友人と二人きりで、生活の一部としてミニマムに映画を撮ることで、日記のようでもあり劇映画でもある、独自の質感を持った作品づくりを追求しています。

    世の中に
    与えたい影響

    映画を通じて、人と人の人生が絡み合っている「親密さ」や「切実さ」を可視化し、提示していきたいと考えています。
    映画制作を特別な表現手段としてだけでなく、日記を書いたり友達と電話をしたりするような日常的な「言語」の一つとして、誰もがよりラフに扱えるものにしていきたいという願いがあります。
    個人的な都合や生活の中から生まれた映画であっても、多くの人の眼差しに晒されることで、個人的な物語を超えた一種の「希望」に繋がると信じています。自身の活動が、映画というメディアの新しい使われ方や価値を世の中に広げるきっかけになることを目指しています。

  • 小説

    日下部 浮

    第9期生

    小説

    UKU KUSAKABE

    2004年生まれ。東京藝術大学先端芸術表現科在籍。空間の翻訳方法に関心を持ち、小説の中に広がる都市や夢の中の航海について、私たちがどのように語れるのか考えている。主に映像、テキスト、インスタレーション、ZINEなどを制作している。

    大切にしていること

    「人が空間をどのように記述できるのか」という問いに対し、小説や文章を執筆し、それをインスタレーションや映像として空間に立ち上げる制作を行っています。制作において大切にしているのは、 「小説」という言葉の定義をできる限り広く捉えることです。単なるフィクションとしての小説だけでなく、読んだ人がその言葉の奥にある空間を想像できるものを等しく”小説”として考えています。例えば、電車の車内に貼られた広告や、日記、ラブレターといった日常的なテキストもその対象です。作品『ポ(ッピング・)フィクション』では、架空の街の設定を基にした4つの短編小説を展示会場の各階に配置し、鑑賞者が小説を読みながら建物内を移動することで、言葉の奥に広がる空間を思考するプロセスを構築しました。

    世の中に
    与えたい影響

    自身の作品を通じて、世界に対する新しい「読み方」の体験を届けたいと考えています。近年は、人間以外の存在、例えば機械や動物のエコロジーが、どのように空間を記述し得るのかというテーマに関心を寄せています。人間には読み取ることが難しい、人以外の存在が発信している「メッセージ」を、いかにして知覚し記述できるかという可能性を探究しています。
    作品に触れた人が、ふとした瞬間にそれまでの常識とは異なる視点で世界を捉え直し、自分を取り巻くものたちへの認識が更新されるような、ささやかな、けれど確かな変化を世の中に生み出していきたいと願っています。

  • 映画

    瀬名 亮

    第9期生

    映画

    RYO SENA

    2004年生まれ。青山学院大学経営学部在籍。初監督作「はじめてのよあそび」がHulu主催コンペにてグランプリ。2作目「美食家あさちゃん」はカルガリー国際映画祭など国内外の映画祭で入選し、最新作「まだゆめをみていたい」がHuluオリジナル映画として制作・配信中。物語がだいすき。

    大切にしていること

    これまで、自分自身が感じたことやどうしても伝えたいことが届くように作品を作ってきました。
    ある種の「日記」のように、その時々の自分の感情を閉じ込めて作ることで、リアルゆえの勢いや強度が生まれ、自分にしか作れないものが出来上がっていくという実感を持っています。
    過去作には、ダサい自分から卒業しようと憧れの大学に入学するも思うようにいかず、それでも幸せになるためにもがく女の子を描いた『はじめてのよあそび』や、ルッキズムをテーマに「可愛くなければ生きている意味がない」と思い込む少女を描いた『美食家あさちゃん』 、そして、目指す“叶えたい夢”と眠って見る“逃れられない夢”の双方に翻弄される漫画家志望の大学生を描いたファンタジー最新作『まだゆめをみていたい』などがあります。
    どの作品にも、その時々の自分の一部が確かに反映されています。しかし、作品を重ねるごとに個人の物語にとどまらず、普遍的でもあること、自分以外の他者も深く描くことを強く意識するようになりました。
    小説家志望であったこともあり、これまではストーリー性ばかりを重視していましたが、現在は映画という媒体ならではの映像表現も追求し両立させたいという思いが強くあります。

    世の中に
    与えたい影響

    現在は「女性が主人公の女性映画」を作りたいという強い想いがあります。作品を作っていると、「女性と社会」というテーマに辿り着きます。日本に生きる一人の女性として感じる生きづらさに対し声を上げる手段としても、映画制作を通じて自分にできることを表現していきたいと考えています。
    作品には、一見些細であっても切実でリアルな感情を丁寧にすくい取り、決して取りこぼさないように込めていきたいと思っています。私の作った作品が誰かに届き、一歩踏み出すきっかけになったり、視野を広げたりすることができればと願っています。
    自分の可能性を信じながら、この世界に存在して欲しいと思える作品をどんどん作り出せるよう頑張ります。

  • 映画

    比嘉 光太郎

    第9期生

    映画

    KOTARO HIGA

    2002年沖縄出身のUFO研究家。テレビ東京の番組『TXQ FICTION / UFO山』監修・出演や『月刊ムー』WEB版等へ寄稿。宗教2世の視点から、日本の異端のUFO団体「宇宙友好協会」の痕跡を追うドキュメントを継続中。今年3月8日には文化庁後援のプロジェクト「UFOを招ぶ。超能力者と集う。」登壇。

    大切にしていること

    オカルトをテーマに、自主映画の制作、怪談の語り、同人誌の執筆といった多角的な活動を行っています。制作において大切にしているのは、世の中にまだ知られていないオカルト的な事件や、ディテールに富んだ物語を深く掘り下げ、それを多くの人に伝わりやすい形で提示することです。
    特に「恐怖」の表現にはこだわりがあり、例えばホラー短編『絶叫する家』では、心霊現象の際に聞こえる「人の声」を再現するために、複数の女性の声を合成・加工してリアリティを追求しました。また怪談においても、取材した実体験をそのまま語るのではなく、あえて体言止めを多用するなど、聴き手の感情を揺さぶるための最適な構成を模索し、繰り返し語り直すプロセスを重視しています。

    世の中に
    与えたい影響

    自身の作品や活動を通じて、人々に「オカルトのやばさ(凄み)」を伝え、その世界にどっぷりと浸ってもらいたいと考えています。オカルトは、死後の世界や宇宙人の存在といった、科学では検証できない危うい領域に答えを提示してくれるものであり、そこには非常に強い力が宿っていると信じています。
    最近取材した「自分が地球外惑星の王だと気づき、現在は地球とその星で二拠点生活をしている」という方の話のように、人間の想像力を超えた未知のディテールを提示することで、鑑賞者の好奇心や感情を刺激したいという想いがあります。
    作品に触れた人が、自分自身の中に潜む「オカルトを求める気持ち」に自覚的になり、理屈を超えた未知の感情を体験できるような、オカルトへの入り口を広げる展示や表現を目指しています。

  • テクノロジー

    増田 凌

    第9期生

    テクノロジー

    RYO MASUDA

    東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻修士2年。デジタルファブリケーションや電子・機構の技術を用いた作品制作を行っている。うねうね・ひらひらしたもの、いきものらしいものが好き。

    大切にしていること

    作品を目にした時に感じる、言葉にできない直感的な美しさと、なぜこのような作りになっているのかという理屈に則った美しさ、その二つが心地よく混ざり合った作品づくりを日々追求しています。私はデジタルファブリケーション、主に3Dプリンターを用いた制作を専門としていますが、単に便利なツールとして使うのではなく、コンピューターの力を借りてアルゴリズムが宿った形を計算して生み出すプロセスを大切にしています。
    例えば、全てがジッパーで繋がっている洋服『Whole-Zip』という作品では、3Dプリンター特有の制約を逆手に取り、細かいパーツに分割して印刷・組み立てを行う工程の中で、ジッパーの歯の一つひとつの形を精密にコントロールすることで、閉じた時に美しい曲線を描く表現を実現しました。あえて今、普及した3Dプリンターを使い、設計プロセスや後加工、素材の探求を深めることで、他にはない自分だけの表現を形にしていきたいと考えています。

    世の中に
    与えたい影響

    技術的な面白さが先行して始まった制作ではありますが、作品を通じて「こんなことができるんだ」という驚きを届けていきたいです。技術的な新しさだけを追求するのではなく、自分自身の身の回りにあるものに対して感じる「美しいな」という素直な感情や驚きを作品に込め、それを多くの人に共有したいという想いがあります。
    鑑賞者自身が作品を見て考え、何かに気づいて「腑に落ちる」という一連の体験を提供することを目指しています。私の作品を通じて、テクノロジーがもたらす新しい美の形や、そこから生まれる感情の動きを世の中に提示していきたいと願っています。

ALUMNI

活動支援生

「クリエイター奨学金」卒業生向けの活動支援事業に採択された10名

PICK UP

9期生同士による
対談インタビュー

クマ財団9期生がペアになりクロストークを行う本企画。KUMA EXHIBITIONの多様性が垣間見えるインタビュー全24本を公開中。

EXHIBITION

展覧会情報

開催日

2026年3月28日(土)〜2026年3月29日(日)

開催場所

スパイラルガーデン(1F)、スパイラルホール(3F)

開館時間

10:00 - 21:00 
※最終日は18時まで

料金

無料

運営組織

主催
公益財団法人クマ財団
クリエイティブディレクター
モリヤマタカヒロ
空間ディレクター
草薙 岳仁
設計アシスタント
菅井 愛里
コーディネーター
折原 智江、山川 睦
パフォーマンス公演スタッフ
舞台監督:松浦 良樹
舞台部:高橋 舞
照明:高橋 亜希
音響:山口 裕次
映像:佐々木 一美
プロダクトマネージャー:鈴木 拓
会場施工
株式会社 東京スタデオ

ACCESS

会場へのアクセス

住所

〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23

Webサイト

https://www.spiral.co.jp/access 新しいタブで開く

アクセス

電車の場合

東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」B1出口前
もしくはB3出口より渋谷方向へ1分。

※B3出口にはエレベーター・エスカレーターがあります。

車の場合

スパイラルパーキング(駐車場)のご案内

営業時間:8:00~23:00

TEL:03-3498-1197

料金:¥600/30分 ¥2,600/1日

駐車台数:57台